「もう、どうやっても返せないんじゃないか……」

朝起きて一番に考えるのは、

今日が何日で、

次の返済まであと何日あるか。

郵便ポストを開けるのが怖くて、

知らない番号からの電話に心臓が跳ね上がる。

そんな日々を、現実の中で過ごしてきました。

700万円という額は、

普通に考えれば「債務整理(任意整理や自己破産)」を選択するのが

一般的なラインかもしれません。

実際に、弁護士の無料相談へ行き、

自己破産寸前まで行きました。

しかし、最終的に私が出した答えは

「自力で、最後まで返す」ということでした。

この記事では、

借金700万円を抱えた私が、なぜあえて険しい「自力返済」という道を選んだのか。

その理由と、決意した瞬間の葛藤をありのままに綴ります。

もし今、あなたが膨れ上がった借金を前に

「整理すべきか、自力で頑張るべきか」と一人で震えているのなら。

一つの事例として、

私の選択があなたの「納得できる答え」を見つけるヒントになれば幸いです。

1. はじめに

◇借金700万円という現実の告白

現在、私には約700万円の借金があります。

内訳は、複数の消費者金融からの借り入れ、クレジットカードのリボ払い、そして銀行のカードローン、家族からの借入。返済のためにまた借りるという生活を繰り返した結果、気づけば一人の人間が背負うにはあまりに重い、この数字にまで膨れ上がっていました。

◇「死ぬこと以外かすり傷」とは思えなかった当時の絶望感

世の中には「死ぬこと以外かすり傷」という言葉があります。 借金に悩んでいた初期の私は、その言葉を支えにしようとしたこともありました。でも、実際に700万円という数字を前にしたとき、そんな前向きな言葉は1ミリも心に響きませんでした。

「傷どころか、致命傷じゃないか」

 「死亡保険でチャラにしたほうが家族に迷惑をかけないんじゃないか」

夜、暗い部屋でスマートフォンの返済シミュレーションを何度も叩いては、絶望的な完済予定日を見て画面を閉じる。そんな、出口の見えない暗闇の中にいました。

◇この記事で伝えたいこと(同じように「返すべきか、整理すべきか」悩んでいる人へ)

今、このブログを読んでくださっているあなたも、もしかすると同じような絶望の中にいるのではないでしょうか。 「債務整理をして楽になりたい」という思いと、「自力で返さなければいけない」という責任感の間で、心が引き裂かれそうになっているはずです。

この記事では、そんな私がなぜ「整理」という選択をせず、あえて「自力返済」を選択したのか、その本音をお話しします。

これは、自力返済を推奨するものではありません。 ただ、同じように「どう生きるべきか」を迷っているあなたの判断材料のひとつになれば。その一心で、私の恥部も含めたすべてをここに書き記します。

2. なぜ700万円まで膨れ上がったのか?(背景)

「どうしてそこまで放っておいたの?」 借金のない人からすれば、そう思うのが当然かもしれません。私自身、数年前の自分に会えるなら、胸ぐらを掴んで止めてやりたい気持ちでいっぱいです。

しかし、700万円という数字は、ある日突然目の前に現れたわけではありません。それは、雨漏りが少しずつ家を腐らせるように、静かに、確実に積み上がっていったものでした。

◇大学時代に覚えた「パチンコ」という毒

きっかけは、大学生のころに覚えたパチンコでした。 最初は暇つぶしのつもりだったんです。でも、たまたま10万円勝ってしまった。バイトで何日も働いて稼ぐお金が、わずか数時間で手に入る。「こんなに簡単に稼げる方法があるのか」という、あの恐ろしい成功体験が、私の脳を狂わせました。

社会人になれば、自由に使えるお金が増えました。「今日負けても、給料が入れば大丈夫」「次は絶対に取り戻せる」 そう自分に言い訳をしながら、負けが込むたびに失った分を取り戻そうと、さらに熱くなる。自制心は、パチンコ台の前に座った瞬間に霧散していました。

◇「月1万円なら返せる」という致命的な勘違い

ついに手持ちの現金が底をつき、初めて消費者金融のカードを作った日のことは今でも覚えています。 その時、私を安心させたのは「月々の返済は1万円からでOK」という甘い言葉でした。

「月1万円返す」だけなら、今の給料でも十分にやっていける。そうたかをくくってしまったのです。

それが、借金という底なし沼の入り口だとは知らずに。

◇膨れ上がる「返済のための借金」

1万円の返済で済んでいるうちは、生活に大きな変化はありません。だから、また負けても「あと1万円返済を増やせばいいだけだ」と安易に借り増しを繰り返しました。

しかし、現実は残酷です。 月々の返済額のほとんどは「利息」に消え、元金は1ミリも減っていない。それに気づいた時には、すでに1社の限度額がいっぱいになっていました。

A社の返済日を乗り切るために、B社から借りる。B社の返済のために、C社に手を出していく。 パチンコで負けた分を、借金で埋め、その借金を別の借金で埋める。

気がついたときには、借入先は5社を超え、総額は700万円に達していました。年収に匹敵するその数字を前にして、ようやく私は「月1万円なら大丈夫」という考えが、いかに致命的な間違いだったかを思い知らされたのです。

3. 債務整理を検討した日々。それでも踏み切れなかった3つの理由

本当の絶望は、総額が700万円を超えた瞬間ではありませんでした。 A社の返済のためにB社から借りる、そんな「自転車操業」が、ついにどこからも借りられなくなって完全にストップした瞬間でした。

「明日、どこからもお金が出てこない。もう、回せない」

目の前が真っ暗になり、手の震えが止まらなくなったあの夜。私は初めて「債務整理」という言葉を現実のものとして調べ始めました。それでも、最終的に私が踏み止まったのには、3つの理由がありました。

◇理由①:パチンコで作った借金を「なかったこと」にできないプライド

一つ目は、自分自身へのケジメです。 生活苦や病気ならまだしも、私の借金の原因は「パチンコ」です。自分が熱くなって、勝てると信じ込んで、好き勝手に使い込んだお金です。

それを「回らなくなったから法的に消してください」とお願いするのは、あまりに身勝手ではないか。ここで逃げたら、私は一生、パチンコに負けて人生を投げ出した自分のまま生きていくことになるのではないか。

「自分の尻は、自分で拭く」 そんな、ある種バカげた意地が、私を自力返済へと踏み止まらせました。

 ◇理由②:「誰にもバレたくない」という切実な願い

二つ目は、周囲への影響です。 もし債務整理をすれば、官報に名前が載ったり、何らかの拍子に家族や職場に知られてしまうリスクがゼロではありません。

「あいつはパチンコで借金を作ってパンクした人間だ」というレッテルを貼られた状態で生きていく恐怖。親や友人に合わせる顔がなくなる申し訳なさ。

「誰にも知られず、一人の力で完済して、何食わぬ顔をして日常に戻りたい」 この**「秘密を守り抜きたい」という強い執着**が、自力返済という茨の道を選ぶエネルギーになりました。

◇理由③:完済後の「自分」を信じたかったから

最後は、これからの人生のためです。 法的にリセットすれば、目の前の支払いは楽になります。でも、それと引き換えに数年間は社会的な信用を失います。

それ以上に怖かったのは、「逃げ癖」がつくことでした。「また困ったら整理すればいい」という甘えがどこかに残る気がしたのです。

700万円を返し終えたとき、私はきっと、今とは違う強い人間になれているはず。
失った700万円は高い授業料だけれど、「自分への信頼」だけは自分の手で取り戻したかったのです。

4. 自力返済を選択した「本当の決め手」

◇震える手でかけた、実家への電話と「妻」への告白

それでも、どうしても「破産」という言葉を受け入れられなかった私は、最後の一線を越える決意をしました。それは、あれほど「絶対にバレたくない」と隠し続けてきた家族への相談でした。

実は私は、借金の事実を隠したまま結婚していました。 結婚後も妻を騙し続けている罪悪感。いつかバレて捨てられるのではないかという恐怖。そのストレスから逃げるために、またパチンコを打つという最悪のループの中にいたのです。

私は母と妻にすべてを打ち明けました。
パチンコのこと、借金が700万円あること、自己破産しかないと言われたこと。

怒鳴られる、あるいはその場で離婚を突きつけられる。 そんな最悪の事態を覚悟していましたが、そこで私を待っていたのは、予想もしない反応でした。

◇二人の女性がくれた、再起のチャンス

「…たかが700万円の借金で死ぬことはない」 

母は私を責めるよりも先に、私を励ましてくれました。そして、母が必死に貯めてきたであろう貯金から「400万円」という大金を、私に託してくれました。

そして、妻。
真実を知った彼女は、ショックで泣き崩れてもおかしくない状況でした。
しかし、彼女は私の目を見て、静かにこう言ってくれたのです。

「打ち明けてくれてありがとう。これから大変だと思うけど、一緒に頑張っていこう」

絶望させてしまったはずの妻から出た、「一緒に」という言葉。 その優しさが、嘘をつき続けていた自分の卑怯さを突き刺すと同時に、震えるほど感謝の気持ちが溢れました。親に、そして妻に、これ以上甘えることはできない。でも、この二人が味方でいてくれるなら、私はもう一度、人間としてやり直せるかもしれない。

◇「自力で完済する」という本当の意味

母からの400万円、そして妻からの「一緒に頑張ろう」という言葉。 それは、私にとって単なる救済ではありませんでした。それは、「人生をやり直すための、最後のバトン」でした。

もしあの時、一人で勝手に自己破産を選んでいたら、私は家族のこの思いを踏みにじっていたかもしれません。 「母に返すべき400万」と「自分の力で返す300万」。 合わせて700万円。 これを一円残らず返し切り、二度と嘘のない人生を歩むこと。それこそが、裏切り続けてきた家族への、唯一の償いになる。

そう心に決めた瞬間、私の「本当の自力返済」が始まりました。

5. 自力返済の道は、想像以上に険しい(現実)

母の助けによって、最悪の「パンク」は免れました。しかし、そこから始まったのは、決して華やかな逆転劇ではなく、泥臭く、時に情けない自分と向き合う毎日でした。

◇毎月13万円という「重圧」

現在、私の月々の返済額は約13万円です。 内訳は、消費者金融への残金300万円の返済と、母から借りた400万円への返済。

手取り給料からこの額が消えていくのは、正直に言ってかなりきついです。家賃、光熱費、食費を切り詰めると、手元にはほとんど何も残りません。かつて「月1万円なら返せる」と笑っていた自分を殴り飛ばしたい。13万円という数字は、それほどまでに重く、生活のすべてを支配しています。

◇止め切れないパチンコ。情けない自分との闘い

そして、ここで皆さんに隠さずお伝えしなければならないことがあります。 「母に救ってもらったのだから、もう二度とパチンコなんてやらない」と誓ったはずなのに、私はまだ、パチンコを完全に止め切れていません。

仕事帰り、パチンコ屋の派手な看板が目に入るたび、あの脳が焼けるような感覚を思い出してしまう。 財布に数千円だけ残っているとき、あるいは返済のストレスに押し潰されそうになったとき、吸い寄せられるように店の自動ドアを潜ってしまう自分がいます。

「数千円だけ、これで増やせば返済が楽になる」 そんな見え透いた言い訳を自分にして台に座り、結局負けて、駅までの道を自己嫌悪で死にたくなりながら歩く。 「自分は何をやっているんだ」「母にあんなに言ってもらったのに」 帰り道の夜風は、借金が増えたとき以上に、自分の「弱さ」を突きつけてきます。

しかし、以前とは違い、助けてもらったという思いがあるため、頻度はかなり減らすことができています。本当は完全にやめるべきだとわかっているのに…

◇「完済」というゴールだけを見つめて

自力返済とは、単にお金を払う作業ではありませんでした。 それは、「自分の中に飼っている化け物(依存心)」との、終わりのない格闘です。

100%完璧な人間にはなれないかもしれない。 何度もつまずき、情けない思いをするかもしれない。それでも、助けてくれた家族の為に、完済を目指してもがき続けます。

このブログは、聖人君子の更生記録ではありません。 借金700万円を背負った、意志の弱い一人の男が、それでも「まともな人生」を取り戻すために足掻く、リアルな物語です。

◇それでも、夜ぐっすり眠れるようになった理由

返済額は増え、生活は切り詰められ、パチンコとの闘いも続いています。客観的に見れば、私の状況は以前よりも「過酷」になったのかもしれません。

ですが、そんな日々の中で、一つだけ劇的に変わったことがあります。 それは、「夜、ぐっすり眠れるようになったこと」です。

借金を隠し、嘘を重ねていた頃の私は、眠りに落ちる直前まで常に何かを恐れていました。 「明日、返済が間に合わなかったらどうしよう」 「もし今日、妻にバレたらなんて言い訳しよう」 「スマホの通知を見られたら終わりだ」

追い詰められた脳は休まる暇がなく、ようやく眠りについても、督促の電話が鳴り響く夢を見て跳ね起きる。そんな毎日でした。

しかし、すべてをさらけ出した今は違います。 隠し事がない。嘘をつかなくていい。 妻の隣にいるときに、スマホの画面を隠す必要もない。

「今日、パチンコ屋に行ってしまった」という情けない事実すら、正直に話せる相手がいる(もちろん、ひどく落胆させ、怒られますが)。その「嘘のない状態」が、どれほど心を軽くしてくれるかを、私は失って初めて知りました。

「借金がある地獄」よりも、「嘘をつき続ける地獄」の方が、よほど精神を蝕んでいたのだと思います。

もちろん、起きたらまた厳しい現実と返済が待っています。それでも、「明日もまた二人で頑張ろう」と思える心の平穏があるからこそ、私は今日も深い眠りにつくことができるのです。

6. まとめ:借金に悩むあなたへ伝えたいこと

もし今、あなたがかつての私と同じように、膨れ上がった借金を前に「もう人生終わりだ」と震えているのなら。伝えたいことがあります。

「誰かに相談すれば、道は開けるかもしれない」ということです。

私は「バレたくない」「迷惑をかけたくない」という一心で、何年も一人で抱え込み、借金を膨らませ続けました。一人で戦っているつもりでしたが、実際には一人で溺れていただけでした。

専門家に「自己破産しかない」と言われ、妻と母にすべてを打ち明けたあの日。 叱られる覚悟でさらけ出した私を待っていたのは、軽蔑ではなく「よく耐えていたね」という言葉でした。

もちろん、借金が消えたわけではありません。今も月13万円の返済は続いていますし、パチンコという依存対象に負けそうになる日もあります。それでも、あんなに苦しくて、暗闇の中を彷徨っていた日々は、誰かに話した瞬間から、少しだけ和らぎました。

「一人じゃない」と思えることが、これほどまでに心を軽くしてくれるとは思いませんでした。

あなたの周りにも、もしかしたら手を差し伸べてくれる人がいるかもしれません。あるいは、法律の専門家が新しい選択肢をくれるかもしれません。

プライドも、恥ずかしさも、一度だけ捨ててみてください。このブログが、あなたの「人生を取り戻すための、最初の一歩」のきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。

返済の道は長いですが、共に一歩ずつ、進んでいきましょう。