返済日を過ぎると、スマホが鳴る。
画面に出るのは、登録していない番号。督促の電話だとわかっていても、指が動かない。

借金を返せなくなったころの私は、毎月この状態でした。

借金が700万円までふくらみ、借りて返すをくり返す「自転車操業」がパンクしたとき、一番つらかったのは督促の電話でした。

この記事では、督促の電話に出られなかった私が、実際に出てみてわかったことと、電話で聞かれること・答え方、そして督促の電話を止める方法をまとめます。

1. 返済日のあとに鳴り続けたスマホ

督促の電話は、毎日ずっとかかってきたわけではありません。返済日を過ぎたあとに、集中してかかってきました。

返済日が近づくと、「今月も払えないかもしれない」と気が重くなる。そして返済日を過ぎると、スマホが鳴り始める。その時期は、着信音を聞くだけで心臓がぎゅっとなりました。

出られない理由は、ただ「怖いから」でした。何を言われるのか、どう答えればいいのか、まったくわからなかったからです。

もう一つ、ずっと心配していたことがあります。

「このまま出なかったら、会社や家に電話がかかってくるんじゃないか」

実際にかかってきたことはありませんでした。それでも、会社で電話が鳴るたびに、家族がスマホを見るたびに、ひやひやしていました。

2. 初めて電話に出てみたら、思ったより事務的だった

ある日、覚悟を決めて電話に出ました。

怒鳴られるのではないか。責められるのではないか。そう身構えていましたが、実際の電話は思ったよりずっと事務的でした。

相手は落ち着いた口調で、確認するように質問をしてきました。私が聞かれたのは、主に次の3つです。

  • いつ払えるか
  • いくら払えるか
  • なぜ遅れたのか

電話の目的は、私を責めることではなく、「いつ、いくら入金されるのか」を確認することでした。

今思えば、怖かったのは電話そのものより、「何を言われるかわからない」ことでした。中身がわかってしまえば、出られない電話ではなかったのです。

3. 督促の電話で聞かれること・答え方

督促の電話で聞かれることは、ほとんど決まっています。あらかじめ答えを用意しておけば、落ち着いて話せます。

督促の電話で聞かれる3つのことと答え方

いつ払えるか

給料日など、確実にお金が入る日をもとに答えます。「たぶん大丈夫」という日ではなく、「この日なら確実」という日を伝えましょう。

いくら払えるか

全額が無理なら、払える金額を正直に伝えます。ほかの支払いや生活費を考えたうえで、無理のない金額にすることが大切です。

なぜ遅れたのか

長い説明はいりません。「収入が減った」「ほかの返済が重なった」など、事実を簡単に伝えれば大丈夫です。

電話が苦手な人は、言うことをメモしてからかけると落ち着いて話せます。電話で伝えることのメモの例は、督促状が届いたら最初にやることの記事でも紹介しています。

4. できない約束は、しなくていい

督促の電話が怖かったころの自分に、今いちばん伝えたいのは、これです。

できない約束は、しなくていい。

電話に出ると、早く切りたい一心で、「来週には全額払います」と言ってしまいたくなります。でも、払えない約束をすると、その日にまた払えず、また電話がかかってくることになります。そして、信用もなくしてしまいます。

できない約束はしなくていい

大切なのは、「今は、これだけなら払えます」と正直に伝えることです。

それで相手が納得しなかったとしても、守れない約束をするよりはずっといい。払える見込みがまったく立たないときは、「今は払える見込みが立たないので、相談させてください」と伝えて、早めに専門家に相談しましょう。

5. 会社や家族に電話はかかってくる?

私がずっと心配していた「会社や家族への電話」についても、知っておきたいルールがあります。

貸金業者の取り立てには、貸金業法でルールが決められています。たとえば、次のようなことは禁止されています。

  • 正当な理由なく、午後9時から午前8時までの間に電話をかけたり、訪問したりすること
  • 正当な理由なく、勤務先など、自宅以外の場所に電話をかけたり、訪問したりすること
  • 借りた本人と保証人以外の人(家族など)に、代わりに払うよう求めること

ただし、ここで気をつけたいのが「正当な理由なく」という部分です。本人とまったく連絡がとれない場合は、それが「正当な理由」とされ、勤務先などに連絡がいく可能性もあるといわれています。

電話から逃げると知られる心配が大きくなる理由

つまり、督促の電話から逃げ続けるほど、会社や家族に知られる心配はむしろ大きくなります。自分の電話で、自分が対応することが、周りに知られないためのいちばんの方法でもあるのです。

(参考:貸金業者関連の法令について|埼玉県)

6. 督促の電話を止める方法

「どうしても返せない」「電話に対応するのがもう限界」という場合は、弁護士や司法書士に相談するという方法があります。

債務整理などを依頼すると、専門家から貸金業者に「受任通知」という書類が送られます。受任通知が届いたあとは、貸金業者は原則として、本人に直接督促することができなくなります。

受任通知で督促が止まるまでの流れ

電話も郵便も、専門家が窓口になってくれます。督促が止まるだけでも、気持ちはずいぶん楽になるはずです。

ただし、受任通知は「借金がなくなる」ものではありません。その後、任意整理などの手続きで、どう返していくかを決めていくことになります。債務整理の方法の違いは、任意整理・個人再生・自己破産の違いにまとめています。

費用が心配なら「法テラス」

弁護士や司法書士に頼む費用が心配な人は、国が作った相談窓口「法テラス」も使えます。収入などの条件を満たせば、無料で法律相談を受けられたり、弁護士費用を立て替えてもらえたりします。

  • 公式サイト:法テラス
  • サポートダイヤル:0570-078374

私が市役所の無料相談で言われたこと

私は、市役所の無料法律相談に行ったことがあります。借金の内訳を見た弁護士からは、「自己破産しかない」と言われました。

正直、かなりショックでした。でも、専門家に一度見てもらったことで、自分の状況をはっきり知ることができました。そのときのことは、市役所の無料相談に行った体験の記事にくわしく書いています。

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督促の電話がつらいときは、無料で相談できます

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※司法書士が扱えるのは、1社あたり140万円以下の借金です。それより大きい借金や、自己破産・個人再生を考えている場合は、弁護士への相談も検討してください。費用の詳細は公式サイトでご確認ください。

まとめ

  • 督促の電話は、返済日のあとに集中してかかってくる
  • 実際に出てみると、思ったより事務的だった
  • 聞かれるのは「いつ払えるか」「いくら払えるか」「なぜ遅れたか」の3つ
  • できない約束はしない。「今はこれだけ払える」と正直に伝える
  • 電話から逃げ続けるほど、会社や家族に知られる心配は大きくなる
  • どうしても返せないときは、専門家に相談すれば督促を止められる

督促の電話が怖かったころ、私は「電話に出たら終わりだ」と思っていました。でも実際は、出なかった時間のほうが、ずっと苦しかった。

今、鳴っているスマホを前に固まっているなら、まずは聞かれる3つの答えをメモするところから始めてみてください。答えが手元にあるだけで、電話は少しだけ怖くなくなります。